研究内容
(1)分子情報処理アルゴリズムに関する研究

化学関連分野でのコンピュータ利用を考える場合に、その分野固有の共通言語としての化学構造式をいかに取り扱うかが重要な問題である。そこで、計算機による化学物質の構造類似性の自動認識について取り上げ、いわゆる"構造が似ている"といった構造情報全般から見た、漠然とした類似性の認識・評価のための方法について、2次元構造式、3次元分子構造の両面から、グラフ論的なアプローチをもとに研究を進めている。


(2)化学物質のリスク評価システムの開発

ヒト健康や環境への影響が心配される種々の化学物質のハザードリスクの度合いを定量的に推定することにより、リスクに対する事前の格付けを行い、疑義のある化学物質に対しての優先的かつ詳細な評価試験を実施し、これらの結果に基づく適切な施策を講じるなどのリスク管理が極めて重要である。こうした視点から、これらのリスク管理支援のための基盤技術として、化学物質の毒性をはじめとする種々の特性予測手法の開発とそのシステム化を行う。


(3)分子ミュージックに関する研究

薬物分子や遺伝子などの分子情報をその分子構造や遺伝子のDNA塩基配列に対応する固有のサウンド情報の生成を基礎とした分子ミュージックに向けてのアルゴリズムと、これらに基づく自動演奏システムの開発を目標とした研究。インスリンをはじめとするいくつかのタンパク質に対して、遺伝子のDNA塩基配列からの自動楽譜変換と音源装置を利用したシステムを試作や、分子構造の符号化と楽譜生成アルゴリズムなどの研究を行っている。


(4)分子情報システム/ツールの開発

化学構造エディタの開発や、分子グラフの種々の行列式の自動生成、行列式表現に対する種々の代数演算が可能な数理科学の教育用ツールの開発などを行っている。